2022.04.15
健康寿命の重要性①
こんにちは。
西新の歯医者 松尾です。
今月(2022年4月)から
訪問歯科(往診)を始めるにあたり
先月(2022年3月)
一般社団法人日本歯科医療安全教育機構主催の
「歯初診・か強診・外来環・歯援診」というセミナーに参加してきました。
そこでいかに「健康寿命」が重要かと痛感しましたので、それについてのお話しをしたいと思います。
健康寿命とは?
「健康上の問題で、日常生活が制限されることなく生活できる期間」
となっています。
(第二次健康日本21より)
平均寿命
男性:81歳 女性:87歳
健康寿命
男性:71歳 女性:75歳
現在「平均寿命」と「健康寿命」には
約10年の差があります。
つまりその10年間は、何らかの病気や事故により痛かったり、苦しかったり、
「楽しい生活」を送るのが困難な状態にあると言えます。
目指せ「ピンピンコロリ」ですね。
※「病気に苦しむことなく、元気に長生きし、病まずにコロリと死のうという意味の標語」(Wikipedia)です。
歯の残存数
歯が少ないと脳卒中や認知症になりやすいという研究があります。
50歳代の脳卒中患者の残存歯数
(18.4±9.4本)が、
日本人の平均残存歯数
(24.1± 6.1本)に比べ、有意に少なくなっている報告があります。
咀嚼(そしゃく)能力と寿命
咀嚼(そしゃく)とは
① 食物をかみくだくこと。 また、かみくだいて味わうこと。
② (転じて) 文章や事柄の意味などをよく考えて十分に理解し味わうこと。
①も②共通なものに「味わう」があります。
食べ物をただ丸のみしても味気ないと思います。
人生と同じですね。
人生も「味わう」ためにあると言っても過言ではありません。
そして
咀嚼能力が高いと寿命が延びます。
平均寿命よりも健康寿命に顕著にみられます。
動物界では
歯がなくなる=死ですから当然ですね。
高齢者の口腔機能管理
口腔機能を維持、回復することが
「健康寿命」を延ばす秘訣です。
口腔機能低下症の概念は
・口腔不潔
・咬合力低下(こうごうりょく=かむ力)
・咀嚼機能低下
・口腔乾燥
・舌と口唇運動機能低下
・舌圧低下
・嚥下機能低下
などです。
今月(2022年4月)から
50歳以上であれば「口腔(こうくう)機能低下症」の検査が保険適用されました。
以前までは65歳以上が対象でしたが
50歳から始めましょうという国策です。
転ばぬ先の杖、ですね。
意味:
いざという時でも安心なように、用心して手を打っておくことのたとえ。
また、そのために準備しておくもの。
高齢者数増加の地域差
都市部の高齢者数は増加傾向にあります。
つまり訪問診療、介護、歯科などの需要が都市部で高まる見込みです。
さらに日本は
【超高齢社会】です。
(65歳以上の高齢者の割合が
「人口の21%」を超えた社会で、
日本は2010年に23%を超えてます)
特に
・東京都
・大阪府
・神奈川県
・埼玉県
・愛知県
・千葉県
・北海道
・兵庫県
・福岡県
では
2025年までの全国の65歳以上人口増加数の約60%を占めています。
特に上記エリアの医療機関は、積極的に訪問診療を取り入れていくことで、
通院できない患者さんにとっても、そのご家族の方にも有用ではないでしょうか。
②につづきます。
※参考資料
一般社団法人日本歯科医療安全教育機構主催
2021年度
外来環・か強診・歯援診・歯初診の
施設基準のための研修会