遺伝 VS 環境②

こんにちは。

早良区西新の歯医者 松尾です。

 

 

生物の性格に影響するのは

「遺伝か環境か」の続きです。

 

*前回のブログ

 

遺伝 VS 環境①

 

 

考察

 

①の子猫たち

は、オス親は野良猫だったので、

ヒトへの警戒心という要素が遺伝したと推測できます。

 

母猫である姉のネコは、甘えん坊でヒトに

ベッタリタイプです。

 

なぜなら

生まれたばかりで、一度もヒトからイジメられるような経験をしていないのに、

すでにヒトへ警戒心むき出しだったからです。

 

遺伝≧環境

 

 

②オージーネコ

がフレンドリーである理由の一つに

豪州は動物に優しい国と言われるほど、動物保護の意識が高い国だからと考えられます。

 

国内の生態系を守るため、基本的に外来種を国内に入れる事を禁じています。

 

そのためなのか

動物と接する時のオージーたちは笑顔になり、優しく暖かい空気をまとっている印象でした。

 

 

わたしが何度も見た光景ですが

オージーたちは、スズメやハエに対しても強く追い払ったりせず、おっとりとした対応でした。

 

そのためなのか

豪州の動物たちは、ヒトへの警戒心が薄いという印象です。

 

 

遺伝≦環境

 

 

③魚の警戒心

については一番驚きました。

 

哺乳類の場合

野生の動物を題材にした番組などでよく観るシーンに

 

例えばシマウマ親子がいて、

親シマウマが遠くにいる肉食獣に警戒すると、その空気が子にも伝わり、

一緒に逃げるという場面があります。

 

それは哺乳類特有の「教えながら育てる」といったものが背景にあるからです。

 

 

しかし

魚の多くは哺乳類と違い、子育てをするわけではありません。

 

魚は釣り上げられようとする時、必死に抵抗します。

 

本能的に危険を察知するからです。

 

運よく逃げ切れた個体が「警戒心」を持つのは当然です。

 

チリ魚と日本魚の違いからもわかるように

 

日本魚は、誰からも教わってもないのに

生まれながらにして「警戒心」を持っている個体が多いと考えられます。

 

 

遺伝:環境=50:50

 

 

まとめ

 

 

ある心理学者が違う環境で育った双子の研究をし、結論としては性格を決めるのは

「遺伝子」であると学会などでは通説となっているようです。

 

 

ただし

これは1世代程度の研究です。

 

2世代、3世代と追跡調査して行くと、違う結果が出る可能性もあります。

 

一卵性と二卵性で実験結果も異なるので、白黒ハッキリというわけでもなさそうです。

 

別の研究では

「双子でも環境で20%は個人差が出る」という結果もあります。

 

 

そこでわたしの結論としては

地域の生態系や種類によっても異なると思いますが

 

もしかしたら性格を決める要素は

 

【遺伝49 vs 環境51】

 

くらいではないだろうかと推測しています。

 

 

なぜ

環境が51なのかというと

どんな性格であろうと、環境によって

変化・進化していくように思えるからです。

 

確かに

警戒心を持つ親から生まれた子は、警戒心を持つ子になりやすい。

 

①や③のケースのように

親から教わらずとも

「遺伝子に組み込まれる」のは事実です。

 

しかし

生物は「環境に適応」して生き残ってきたという、原理原則があります。

 

生活環境により、性格や性質はいくらでも変化していくのではないでしょうか。

 

 

例えば③の日本魚をチリの海域に放ち生活させると、もしかしたら警戒心が薄れていくかもしれません。

 

逆にチリ魚を日本の海域に放つと、警戒心が強くなるかもしれません。

(水温、水質の違いで生きられるか不明ですが)

 

 

どんな要素も「遺伝子に組み込まれる」としたら、変化・進化しない方が不自然です。

 

滅多にないことですが

「一切変化しない環境」ならば、もしかしたら遺伝子が多くを決めるかもしれませんが、

「天災」などによって、強制的に環境が変化した場合、生き残るために変わらざるを得ない状況となるのではないでしょうか

 

太古の昔

地球上には酸素はありませんでしたが、酸素を作り出すラン藻(シアノバクテリア)が誕生し、それに伴い地球の環境も生態系も変化して行ったのです。

 

そして環境の変化に適応できず、酸素を取り込むことができない生物は、死んでいったのです。

 

 

実際には

遺伝も環境も相互作用が働いていると考えられます。

 

 

「遺伝 or 環境どちらかで全てが決まる」わけではないので

 

「偏り」をできるだけ減らすことは重要ではないでしょうか。

 

それは

言い換えると「バランス感覚を持つ」とも言えます。

 

 

例えば子育ての時、どうすべきか迷うケースはよくある事だと思います。

 

・叱るべきか

 

・叱らないべきか

 

・習い事はピアノにするか

 

・習い事は水泳にするか

 

などなど。

 

 

親が

「この子はわたしに似て、音楽のセンスが良いからピアノね」

 

なんて思ってても、実は本人は水泳をしたいかもしれないし、素晴らしい水泳選手になる可能性があるかもしれません。

 

できるだけ「可能性」という芽を摘む言動は慎みたいですね。

 

 

子どもが自分で考えて、選択できるようにするのも環境の力です。

 

自分や子どもに合った環境を創りだしたり、快適な環境に身を置くことで、人生の質が高まります。

 

 

他にも

「選択肢」を多く持てるか or 持てないか、も環境のなせる業だと思います。

 

人生で行き詰まった時

いかに「選択肢」を多く持っているかで結果が変わってきます。

 

 

 

これにて

遺伝か環境か論終了となります。

 

 

生きる上で何かのヒントになれば幸いです。

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