健康寿命の重要性④

こんにちは。

 

 

 

 

 

 

西新の歯医者 松尾です。

 

 

*前回のブログ

 

 

 

健康寿命の重要性③

 

 

 

のつづきです。

 

 

 

要介護高齢者の最大の課題

 

 

摂食(せっしょく)・咀嚼(そしゃく)・嚥下(えんげ)障害にどう取り組むかが問われます。

 

 

・特養老人ホーム

・老人保健施設

・老人病院

・療養型病床群

 

における入所者・入院患者の意識実態調査(加藤順吉郎 1995)によると、

「施設内で楽しいこと」

の第一位はいずれも「食事」となっています。

 

 

摂食・嚥下障害とは

 

 

「摂食・嚥下の5期」の5つの段階のうち、どこかの段階で障害されることを、摂食嚥下障害といいます。

摂食嚥下は、食べ物を認識してから、口を経由して胃の中へ送り込む、一連の動作のことです。

 

それらの一連の動作を5段階に分けて考えられることから「摂食嚥下の5期」と呼ばれています。

 

 

 

 

先行期:食べ物を認知して、口にいれる作業

 

準備期:その食べ物を口から入れ、咀嚼(そしゃく)する

 

口腔期:舌や頬を使い、食べ物を口の奥からのどへ送る

 

咽頭期:脳にある嚥下中枢からの指令で、食べ物を食道へ送る

 

食道期:食べ物を胃へ送り込む

 

(参考サイト:健康長寿ネット)

 

 

食事に関係する4大認知症

 

大きく分けて4つあります。

 

そして

その4つが食べる事・しゃべる事に関係するため、歯科との関わりが深くなります。

 

それぞれ症状や対応の仕方に特徴がありますので、ご家族の方や介助・介護をされる方には知っておいて頂きたい、4大認知症になります。

 

 

① アルツハイマー型認知症

物忘れや生活上の失敗が潜在性に進行、物盗られ妄想、徘徊

 

 

② 脳血管性認知症

小さな脳梗塞が多発して、意欲の低下や戸惑いが目立つ認知症・仮性球麻痺(嚥下困難、構音障害、咀嚼障害などを生じる)

 

 

③ レビー小体型認知症

パーキンソン症状と似た運動障害(嚥下障害含む)や幻覚が見られる

 

 

④ 前頭側頭型認知症(ピック病)

 

状況に合わせて自分の行動をコントロールできない(人格異常、行動異常)

 

 

 

「先行期」における4大認知症の特徴

 

 

① アルツハイマー型認知症

 

1)食事を始めない、中断する

2)食器の使い方がわからない

3)食器、机の模様に気を取られて食べられない

4)他人の食事を食べる

5)異食(食べ物じゃないものを口に入れる)

6)嗅覚の障害

7)食欲の低下

 

この型の最大の特徴として

食事の最初や途中でボーっとする事があるので、介助する方は「声かけ」をしましょう。

 

 

② 脳血管性認知症 

 

1)麻痺により口への取り込みが困難

2)認知機能は保たれていることが多い

 

2)は特に注意です。

 

例えば

本人の近くで、周りの介助する方や医療従事者などが「あの人認知症だからね」などと言うと、本人はそれを理解できるため、

 

「自分のことは自分でする!」

 

というような「介護拒否や介護抵抗」などに発展することがあります。

 

くれぐれも不必要な発言にはご注意ください。

 

 

③ レビー小体型認知症

 

1)食べこぼし

2)姿勢の傾き

3)嗅覚の障害

4)食欲の低下

5)食欲の変動

6)薬による食事量の激減

 

身体が傾いている場合は、レビー小体型の可能性が高くなります。

 

 

④ 前頭側頭型認知症(ピック病)

 

1)偏食

2)大食

3)大量飲酒

4)介助者に反発

5)常同行動(同じ行動を繰り返す)

6)薬による食事量の激減

 

介助者に反発とは、歯科で言えば指にかみついてきたりなど、に注意しましょう。

 

 

 

⑤へつづきます。

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