口腔洗浄器のすゝめ

こんにちは。

西新の歯医者 松尾です。

 

 

 

今日は口腔洗浄器・ウォーターピックの紹介です。

 

 

先月くらいのホンマでっかTVで紹介されていましたので、実際に使ってみようと思い使用開始しました。

(本商品の価格 ¥5000前後)

 

 

歯周病(ししゅうびょう)

 

 

歯周病は万病の元です。

 

同じく風邪は万病の元といいますが、実際は

 

風邪よりもタチが悪いのは「歯周病」

 

です。

 

口は身体の入り口なので、あらゆる病気は口からスタートすると言っても過言ではありません。

 

 

歯周炎と歯周ポケット

 

 

 

*歯周ポケット

歯と歯ぐきの際の溝(ポケット)。

 

健康な歯ぐきでは、

この溝の深さは1~2mm程度ですが、この溝にプラーク(歯垢)がたまり、プラークの細菌により歯肉が炎症を起こし腫れていき、溝が深くなります。

 

これを歯周ポケットといいます。 進行すると歯肉が破壊され、歯周ポケットはより深くなり歯周炎となります。

 

 

さらに歯周炎が進行すると

 

 

 

④のようになり、歯がグラグラし最終的には歯が抜けてしまいます。

 

 

よく患者さんが「歯ぐきが下がった」と表現しますが

歯周炎の定義は

「歯槽骨(しそうこつ=顎の骨)が溶けた状態」を指します。

 

 

 

そして一部例外を除き

基本的に一度溶けてしまった顎の骨を元に戻すのは難しいです。

 

歯が揺れ始めてから「どうにかして欲しい」と言われても、口内ケアを継続し

せいぜい「現状維持を保つ」程度しかできることはありません。

 

 

歯周病の原因

 

大きく分けて原因は2つあります。

 

 

① 歯周病菌によるもの

 

② 歯ぎしりなど、力がかかることによるもの

 

本記事の口腔洗浄器は①の細菌を減らすためのものです。

 

 

他にも

 

・喫煙

 

・糖尿病

 

・食習慣

 

・ストレス

 

なども原因になります。

 

 

 

口腔洗浄器の効果

 

 

最初は水の勢いが強くて痛かったのですが、慣れたのか歯周ポケット内の細菌が減り、炎症が下がったのか、今は痛くなくなりました。

 

 

口内のお手入れの主役は

 

・歯ブラシ

 

・歯間ブラシ

 

・デンタルフロス(糸ようじ)

 

ですが

 

本記事の「口腔洗浄器」は、上記の掃除道具が届きにくい、深い歯周ポケット内清掃に有効です。

 

 

約1800回/分の高い頻度で、強力なジェット水流によって歯周ポケット内の汚れを除去し、細菌にダメージを与えます。

 

歯周ポケット内の細菌たちは、基本的に空気が嫌いな嫌気性細菌(けんきせいさいきん)と呼ばれるものが多いので、酸素を多く含む水を高圧で送り込むことにより、食べかすはもちろん、細菌の除去にも有効です。

 

 

使い方

 

 

① 先に「口腔洗浄器」を使い、大まかに食べかすや汚れを落とします。

 

② 次に歯ブラシやフロス・歯間ブラシなどを使い、細かいところの清掃をします。

 

 

特に難しい事はなく、タンクに水を入れて、お好きな形のノズルを接続し、スイッチを押すだけで勢いよく水が飛び出してきます。

 

水の勢いは

 

・クリーン

 

・ソフト

 

・マッサージ

 

の3つの水圧モードを選べます。

 

そして

ノズル先端を歯間や歯と歯ぐき際(きわ)に順番に当てて全周しましょう。

 

唇・頬側も舌側(上顎であればも内側)も両側当てる事をオススメします。

 

 

 

=歯間(しかん=歯と歯の間)

 

=歯と歯ぐきの際(きわ)

 

 

 

まとめ

 

 

特にこだわりがあって、本記事の口腔洗浄器をオススメしているわけではないので、

他に良さそうな商品があれば、どれでもお好きなものを選択してください。

 

芸人の麒麟・川島さんがオススメしている商品は高額ですが、多機能で性能も良さそうなので、経済的に余裕がある方は同商品を購入されても良いと思います。

 

 

使用感として、歯がツルツルになりますし、プラーク(歯垢=しこう=ばい菌のかたまり)の再付着も遅くなるのを感じます。

 

当院の患者さんにも口腔洗浄器を紹介して、使用開始した方がいますが、使用後に歯ぐきの腫れが引いて調子が良くなったそうです。

 

 

口腔洗浄器「だけ」では清掃能力としては不十分なので、必ず歯ブラシやデンタルフロスなども使用し口内清掃をしてください。

 

 

口内ケアにおいても

「役割分担」や「分業(ぶんぎょう)」が重要です。

 

歯ブラシ1本だけでは限界があります。

 

それぞれの道具に「得意・不得意」があります。

 

 

・歯ブラシは全体を大まかにキレイにするには最適ですが、歯周ポケット内の掃除は苦手です。

 

・デンタルフロス(糸ようじ)は歯の細部やカーブにそってキレイにするのは得意ですが、歯の正面を磨くのは苦手です。

 

こんな具合に「向き不向き」があるわけですね。

 

 

口内ケアに限らず、社会や経済においても「自分一人でなんとかする」のには限界があります。

 

 

以下

野村ホールディングス・日本経済新聞社 

から引用

 

 

人や社会、国には、得意・不得意があります。

 

それぞれが得意な分野を活かし、専門化することを「特化」といいます。

 

特化して、みんなで分業すれば、大きな仕事が効率よくできます。

 

これを「分業」といいます。

 

 

引用終了

 

 

最後に

 

手遅れになってから気づく学びがあるかもしれませんが

 

病気に限らず何事も「予防」が重要です。

 

物事は放っておくと「雪だるま式」に膨れ上がります。

 

そして

 

一度膨れ上がった状態から、元の状態へ戻すのには、大変な労力を要します。

 

雪だるまが巨大化する前であれば、少しの労力で比較的簡単に元に戻すことができるのです。

 

 

特に今回の口内ケアは

ステップが多くて面倒と思うかもしれませんが

 

わたしの師匠がよく言うフレーズがあります。

 

 

「やったらやったなり」

 

「やらなかったら、

やらなかったなり」

 

の結果にしかならない。

 

 

まさにその通りだと思います。

 

 

いくら考えても行動しなければ現実は変わりません。

 

 

ビジネスにおける

「0→1」の発想術ですね。

 

行動しないと結果は0です。

 

行動すれば結果は1になるかもしれません。

 

そして

1にさえなれれば、あとは努力、工夫次第で「1→10」「10→100」と増やす・改善することに繋がります。

 

 

みなさまのご健康を祈っております。

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