こころの健康とケア⑦心理検査・作業療法

 

こんにちは

早良区 西新の歯医者 松尾です。

 

 

こころの健康とケア⑦になります。

 

心理検査

 

■目的によって使い分ける

心理検査は、質問用紙に自分で記入する、面接で質問に答える、自由に絵や文章を書くなど、やり方によってさまざまな種類があります。

また、性格や人づきあいの傾向などを調べる、病気を見つける(スクリーニング)など、目的によっても種類がわけられています。

たとえば、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDSーR)は認知症を見つけるための検査ですが、認知症の重症度を直接表しているわけではなく、それ自体で診断をつけられるものでもありません。

あくまで「参考資料の一つ」と言えます。

 

■よく使われる心理検査

ウェクスラー式知能検査(WAIS)は「ウェイス」といわれ、言葉、知覚、記憶(ワーキングメモリ)、処理速度を調べて、同じ年齢の平均と比べた知能指数(IQ)を出します。

IQだけで知的障害や発達障害と決めるものではなく、診断の参考にします。

また、鈴木ビネー検査コース立体組み合わせテストでもIQが測れます。

絵を使った検査には、インクの染みでできた図版を見た感想で、感じ方や考え方の特徴をみるロールシャッハテストや、実のなる木を描くことで調べるバウムテストがあります。

箱庭で遊ぶ箱庭療法も、心理状態を調べるために用いることがあります。

 

 

作業療法

 

■作業療法

作業療法は、日常生活の動作や作業を通して行われるリハビリテーションのことで、作業療法士(OT:Occupational Therapist)が指導します。

作業のことをオキュペイションといいますが、仕事など幅広い人間の活動を含んでいる言葉です。

わたしたちはふだんの暮らしの中で、食べる、料理をする、買い物をするといった、さまざまな活動をしています。

料理をするという活動のなかにも、レシピを読む、食材を準備する、包丁で切る、煮る、盛り付ける、片付ける、ごみを捨てるなど、多くの行動が含まれています。

作業療法では、生活にかかわるすべての行動を「作業」といい、人の生活は意味のある作業の連続だと考えています。

これらの作業すべてをリハビリテーションの対象として、心と身体の機能の回復へとつなげ、健康で主体的な生活が送れるようになることを目的としています。

 

■精神科での活動

精神科病棟では、入院中の患者を集めてグループで行われるのが一般的です。

音楽や芸術活動などで、興味や関心が増え、活動的になり、人づきあいがよくなることが期待されます。

ほかにも、あいさつなどの生活に必要とされる行動の練習や、簡単にできる料理やごみの分別など退院後の暮らしに必要な準備が行われることもあります。

また、個別の作業療法もあり、その人に合った作業メニューができるのがよいところです。

 

脳科学による認知症予防

作業療法には種類がたくさんありますが、特に「料理」が認知症予防に役立つことがわかっています。

 

脳研究の第一人者、東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授の研究によると

川島教授は、大阪ガス(株)との共同研究により、光トポグラフィを用いて、調理中の脳活動の計測実験を行いました。

その実験によると、脳の前頭連合野が活性化すると証明したのです。

 

前頭前野とは、意識、思考、創造、他には感情を抑える、あるいは解放するなどの高次精神活動に関与します。

 

同時に複数のモノを作れば、さらに手順も複雑になってきます。

これらの作業の中で脳は常に動き続け、活性化します。

料理のメニューが多いほど、複雑であるほど、脳を働かせることになります。

料理を作るということは、献立を考え、買い物し、時間を逆算しながら作り、食べ、片付けまでの一連の動作を「組み立てる」必要があり、それだけ脳をフル稼働させます。

それだけ脳の活性化に役立つ作業になります。

 

誰かと一緒に楽しみながら作る

自作のものを自分で食べて喜ぶのは当然ですが

自分の作った料理を「食べてくれる人がいる」というのも重要です。

「美味しい」と褒めてもらえると嬉しいですよね。

 

親子のクッキングコミュニケーションの実験では、一緒に作ることで子どもの脳は発達し、大人の脳は鍛えられることがわかりました。

おしゃべりをしながら作ることで相乗効果もあったそうです。

 

脳は「達成感」を栄養にして育つ

という前提があります。

ですから「日々の小さな達成感」を感じることは、極めて重要です。

これは精神障害にだけ有効な作業療法ではなく、誰にとっても役立つことなのです。

 

脳は「考えたことを現実に反映させる臓器」ですから、「できる!」と考えるなら、できる様な行動を選択するし「できない!」と考えるならできなくなる様な行動を選択するのです。

お笑い芸人ティモンディーの高岸さん(オレンジ服)の魔法の愛ことば

「やればできる!」は脳科学的にも理にかなっていると言えますね。

 

他にも

脳は、繰り返しインプットされた情報の影響を受けます。

また、脳で考えたことは、身体に影響を与え、その人の出す結果に影響を与えます。

目標を紙に書くと成功するといわれております。

というのも、脳は繰り返しインプットされた情報を現実に反映する臓器と言われているからです。

 

まとめ

誰であっても「楽しく生きたい」という思いは同じだと思います。

そこで重要なのは、生きる上での司令塔「脳」をよく知ることです。

未だにわかってないことも多いですが、昔に比べたらかなり研究は進んでいます。

そこで、司令塔である脳を知れば、より効果的に、より楽しく人生を歩むことに繋がるとわたしは考えています。

わたしは心理学も好きですが、心理に置いても結局は脳が司っているため、脳科学を知ればおのずと心理にも到達すると思っています。

 

・なぜ自分はこういう性格なのか

・なぜ自分は感情に振り回されているのか

・なぜ自分はこんな病気になったのか

 

そんな風に気になったことがある方は多いと思います。

 

そこで

より賢く生きるために、脳科学を取り入れた生活を送って頂けたらと思います。

ほんのちょっとしたことで、改善したり変化できたりする可能性があります。

 

みなさまの生きるヒントになれたら幸いです。

 

 

 

 

 

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