こころの健康とケア⑨社会生活スキルトレーニング~心理教育・家族教室

 

こんにちは

早良区 西新の歯医者 松尾です。

 

 

こころの健康とケア⑨になります。

 

社会生活スキルトレーニング(SST)

 

■生活に役立つ行動を身につける

SSTはSocial Skills Trainingのことで、社会的スキル訓練や生活技能訓練ともいいます。

学習異論と認知行動理論に基づいたリハビリテーション技法で、統合失調症などの思考障害や認知機能障害といった、障害特性に合わせて、手順をはっきりさせて、具体的なやり方で行動を学べるよう工夫されています。

人とのコミュニケーションをとる方法や、病気や薬との付き合い方、ストレスへの対処法などのスキルを学ぶことで自信を回復し、
生活の質を向上させるためのトレーニングです。

 

・日常のあいさつ

・お願いの仕方・断り方

・食事の誘いを断る

・会話の始め方・終わり方

・薬で困っていることを主治医に説明する

 

など、日常生活の身近なテーマを設定してロールプレイ形式で学んだりします。

また、教育、就労、子育て支援、矯正教育や更生保護などの司法領域、職場のメンタルヘルスでもSSTは活用されています。

 

■SSTの進め方

話し合いや、他者のやり方をみることができるため、少人数のグループで行われることが多いですが、本人と支援者のみの個人SSTとしても実施できます。

グループでは、話しやすい雰囲気をつくるために、ウォーミングアップをして(導入)、参加者それぞれが練習したいことを決めます。

そして

いつもの場面を短いロールプレイで再現してみんなの感想を聞き(フィードバック)、もっとよくするためにどうしたらいいの意見を出し合います。

よさそうなやり方があったら、ほかの人にお手本をやってもらい(モデリング)、それをまねて、現実の場面に合った行動を練習します。

できそうなことが決まったら宿題として持ち帰り、実際の場面でやってみて、その結果を次回に報告します。

 

 

心理教育・家族教室

■ 心理面に気を配り情報を伝える

心理教育とは、妙期のある人に対して、気持ちや考え方などの心理面に配慮しながら、病気の知識や健康を保つ工夫を正しく知ってもらう援助方法です。

主に統合失調症の心理教育がグループで行われているほか、うつ病や双極性障害などでも導入されています。

家族に対して行うものを家族心理教育といい、集団で行うと家族教室と呼ばれています。

糖尿病教室やがんサロンのように、同じ病気を体験した人が集まって、病気の知識や最新の情報をともに学ぶ機会は増えています。

本人や家族でないとわからないことを話し合い、経験をわかち合うことで、悩んでいるのは自分だけではないと実感でき、心の負担が大きく減ります。

また、新しい情報を知り、ほかの人の方法や考え方を取り入れることで、自分の生活を工夫するきっかけとなります。

 

■ 統合失調症の心理教育

統合失調症では、心理教育の手順が開発されています。

まず、病気はこころの弱さとは関係なく、脳のドパミンが多いために周りの情報が脳に入りすぎてしまい、脳の誤作動が起きた状態と説明されます。

そのため、おかしな感覚や思い違いが起き、怖くて引きこもってしまうといった症状がおきます。

次に、薬やリハビリテーションなどの治療のほか、症状にうまく対処する方法や、ストレスと上手につき合う方法を学びます。

病気の成り立ちや、どうしたらいいかを知ることで、自分や家族に起きている症状が理解でき、症状を軽くすることや再発予防につながります。

心理教育では、症状があっても生活をよくしていくために、障害福祉サービスながあることや、健康的なライフスタイルのために自分でできること、家族や職場で配慮してもうといいことも伝えられます。

 

家族教室における円環的因果関係

(えんかんてきいんがかんけい)

たとえば

子どもが不登校になると、家族全体にその影響が及びます。

しかし、不登校は家族変化の原因であるとは限りません。

それ以前の家族のあり方が原因であるという場合も考えられます。

 

原因と結果をどこかに固定してしまうことは、多くのケースで不可能です。

ある原因が結果と見なされ、またその結果が別の事態の原因となる、

このように因果関係を直線的なものではなくて、多面的・多角的・循環的に考えることを

「円環的因果関係」といいます。

 

 

新版 心理学 有斐閣 より

 

リフレーミング

 

リフレーミングとは、患者さんやその家族(クライエント)に新しい視点を提供することです。

 

ものごとは、考え方しだいで良くも悪くもなることが多いと思われます。

こうしたいと思っていても、思い通りにならないことはあります。

健康な人は、このような場合、考え方を変えることで悩みを解消しようとできます。

受験に失敗したり、結婚生活で思い通りにいかなかったり、職場で期待したような昇進ができなかったりした場合、そのことにこだわっていては悩みが深まるばかりです。

自分が歩んできた道をしっかりと見つめ、それを物語ることによって、新しい道を見出すことができるようになっていくものです。

カウンセラーのリフレーミングによって、クライエントは今まで思い込んでいた考え方を、別の視点からとらえ直し、新しい見方をすることができるようになっていきます。

 

人生はトライ&エラーの繰り返し

トライ&エラー(trial & ettor)とは「試行錯誤」を意味し、問題解決をしなければならない時、いろいろな方法を試し、失敗を重ねながら解決を目指すビジネスシーンなどでよく使われるフレーズになります。

 

わたしの師匠がよく言います

【『失敗』は途中で諦めた人だけが得られる果実】

ですから

●諦めずにできるまでやる

or

●10回程度うまく行かなかったぐらいで、諦める程度のものなら最初からやらない

かどちらかと思います。

こう考えると、

●どうでもいいことはやらなくなり
●集中して時間を使えるから
●良い結果につながりやすくなる

ということになるのではないでしょうか?

だれにも「前々からやりたかったこと」があるものです。

 

ぜひ、今日を機会に「チャレンジ」もしくは「再チャレンジ」
してみてはいかがでしょうか?

 

こころの健康とケア⑩に続きます

 

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