こころの健康とケア⑤性同一性障害~てんかん

早良区 西新の歯医者 松尾です。

 

 

こころの健康とケア④になります。

【性同一性障害】

■社会的な性役割と病気の分類

 

生物的な性はさまざまで、無性生殖や環境によって性が変わる生き物もいます。

 

人間でも、遺伝子やホルモンの働きで決まる身体の性には個体差があり、さらに心理的にも社会環境によっても性の表現は変り得ます。

 

そのため、身体の性とは別の性の要素を感じることは普通にあり、はっきり違和感をもつ人もいます。

 

身体の性と心の性が異なり、生活するうえで期待される役割などの、社会的な性に合わせることに苦痛を感じ続けるのが性同一性障害です。

 

この状態を個人の特徴とするのか、病気や障害とするかは、時代や制度によって評価が変わります。

性役割を明確にする社会では、異常とみなされやすくなります。

 

DSMー5では性別違和、ICDー11では精神疾患ではなく性の健康に関する状態として、性別不合と分類されています。

 

 

■恋愛対象や性の確認を表す用語

 

同性が恋愛対象⇒レズビアンとゲイ

 

両性が恋愛対象⇒バイセクシャル

 

身体の性と心の性が異なる⇒トランスジェンダー

 

 

恋愛の傾向である性的指向(Sexual Orientation)と、自分の性の認識である性自認(Gender Identity)は、

頭文字をとりSOGI(ソジ)として、性別や性的指向に関する考え方を表します。

 

SOGIがはっきりしない状態や、あえてはっきり決めないのがクエスチョニングであり、さまざまな性の状態を含めてLGBTQ+といいます。

 

昨今よく聞くフレーズですね。

 

■植物や動物のオスとメス

たとえば

 

植物でもイチョウの木にはオスとメスの木があります。

 

 

動物では、ウニは雌雄同体や、温度で性別が変わるアオウミガメがいます。

 

魚のベラはメスとして生まれきて、成長したらオスになります。

 

これは*ホルモンの働きによるものです。

*ホルモン

ホルモンとは体のなかでいろいろな情報を伝える化学物質のことで、私たち動物のからだはいろいろなホルモンの働きでうまく調節されています

 

オスとしてなわばりをもち、たくさんのメスと交尾することができれば、たくさんの自分の子供を残すことができます。

しかし、小さいうちからオスになっても、他の大きなオスとのなわばりの取り合いに負けてしまい、メスと卵を産むことができません。

だから、自分の子供をたくさん残すためには、小さいうちはメスとして卵を産み、なわばりをもてる大きさになったときに、オスに変わるのがよいのです。

ちなみにオス→メスにも性転換します。

水槽に5匹のオスベラを入れると、一番小さいオスがメスへ戻ります。

このようにさまざまな性機能を持つ種があります。

 

【認知症】

■脳の働きが損なわれた状態

いったん発達した大人の脳の働きが、何らかの原因で損なわれ、高次脳機能のために生活に支障が出る病気です。

■中核症状と周辺症状

 

認知症には脳の障害から直接起きる中核症状と、それに引き続いておきる周辺症状があります。

・中核症状

自分の体験を忘れてしまう記憶障害、社会常識や状況など自分の置かれた立場を把握して正しく判断する能力の低下話が理解できない、時間や場所が曖昧になる見当識障害などです。

認知症の妄想は統合失調症とは違って「財布を家族に盗られた」など、具体的な困りごとに身近な人を結びつけるのが特徴です。

・周辺症状

不安・幻覚、目的なく歩き回る、意欲がなくなる、怒りっぽくなる、その他として、イライラ、興奮、暴力行為、妄想、うつ状態、自発性低下などがあります。

 

生活場面では周辺症状が問題となり、問題解決のために医療的な治療が求められることがありますが、まず中核症状を正しく判断して対応を工夫し、環境を整えることが大切です。

 

【てんかん】

■脳の伝活動の乱れ

脳の神経には電気が流れています。てんかんは、その電気活動が乱れたためにてんかん発作が繰り返し起きる病気です。

てんかん発作とは、脳の働きに応じて症状がいつも同じパターンで現れる短い時間の発作をいいます。

120~130人に1人の割合で生じ、子どもに起きやすい病気ですが、高齢になってから発症することもあります。

脳梗塞や脳出血などの後遺症として発症することもあり、社会の高齢化に伴いてんかんの患者数は増えています。

脳神経の病気ですが、福祉サービスの利用にあたっては、精神障害に分類され、障害福祉サービスや自立支援医療、障害者年金などが利用できます。

 

■診断と治療

原因不明の特発性てんかんは子どもに多く、大人になると治ることが多いようです。

診断は問診と脳波検査をはじめ、頭部CTやMRI検査も参考にしてきまります。

てんかん発作は数秒から長くても数分で終わってしまうため、様子を詳しく見て時間の長さや身体の動きを記録しておきます。

スマホなどで発作の動画を撮っておくことも役立ち、記録専用のアプリもあります。

 

発作時に舌の端を噛んで出血してしまうこともありますが、傷は浅いことが多いので、慌てて口の中に物を入れたり、身体を押さえつけたりしてはいけません。

治療の基本は抗てんかん薬を飲み続けることです。

睡眠不足や極端な疲労を避け、健康を保つためによい生活習慣を続けることが、発作の抑制につながります。

 

 

社会的役割

社会性とは

① 集団を作って生活しようとする、人間の根本的性質。

② 他人との関係や集団生活をうまくやっていく素質や能力。 社交性。

と言われています。

 

本記事での「性同一性障害」「LGBTQ」に焦点を当てて話を進めます。

本来「社会性」とは、その社会(会社・組織など)を存続させるためにあるものだと、わたしは考えています。

現に【性同一性障害】で紹介した多くの生物たちは、彼らの集団が生き残るために、その時その時必要に応じて雌雄同体、温度による性の変化、生涯での性転換など「性機能」を駆使しています。

 

加えて

わたしは蟻が好きで、youtubeの蟻動画をよく視聴するのですが

彼らは「社会性昆虫」と呼ばれ、その中でも

 

蟻は高度な社会性を持つ昆虫である

The ANT is adovanced social insect

とわたしが好きな蟻ユーチューバーは語っています。

そして、蟻(蜂も含め)のコロニー内はほとんどがメスなのです。

コロニーが大きくなりすぎたり、繁殖期になると女王蟻が初めてオス蟻を生み、交尾をして次世代の女王蟻が生まれます。

そして

交尾を終えたオスは、そのまま仲間たちから殺されて、幼虫たちのエサとなり栄養となるのです。

 

カマキリのオスもメスと交尾後、メスのお腹の中の卵の栄養になるためにメスに食べられてしまいます。

生物界において、オスは「種の保存のためだけに存在する」という見方もできるということです。

 

人間社会での社会性

わたしが好きな脳科学者 中野 信子氏は

——–以下引用————-

LGBTQは、社会の進化のために必要とされている

これらマイノリティ(少数派)とはいえ、13人にひとりくらいの割合で存在することがわかっています。

中略

長い歴史の中で自然に淘汰されてもおかしくはなかったはずです。

にもかかわらず、つねに一定の割合で存在する。

ということは、そこにはなにかプラスの意味があるのでないかと、わたしは考えています。

ホモ・サピエンスというわたしたちの種は、極めて「社会性」が高い生物といえますが、この社会性の発達のためにこそ、彼ら彼女らの存在が必要なのかもしれません。

次世代への貢献は、なにも出産にかかわる人物だけができるのではありません。

そうではなく、LGBTQの存在こそが次世代が必要とする進化(社会の発達)に大きく寄与しているのではないかと考えています。

 

感情に振り回されないレッスン 著 中野 信子 より

———引用終了————–

 

人間特有のもの

ここで一つの疑問が浮かびます。

本記事で書いたこのフレーズ

社会的な性に合わせることに苦痛を感じ続けるのが性同一性障害

上記のウニやカメなどの生き物たちは、自分たちの社会的な性に合わせることに苦痛を感じているでしょうか?

 

人間だけが持つ特有の「性に対する感情」に思えます。

その「感情」ゆえに、人は差別をし、争い、マウントをとったりなど人間特有の「行い」をするのではないでしょうか?

 

わたしは、性的マイノリティが「障害」「病気」ではなく、単なる個性でしかないと思っています。

以前のブログでも書きましたが、形だけや小手先の「多様性」ではなく、本当の意味でお互いを認め合い「共存」すべきではないかと思っています。

 

本来

人間は高度な社会性を持つ種であるはずです。

その人間の社会性が、蟻の社会性よりも「機能」していないように見えるのは

人間が持つ「特有」の性(さが)なのかもしれません。

 

*性(さが)

生まれ持った性質、運命、宿命

 

こころの健康とケア⑥ へ続きます

 

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