子育て⑤獲得形質(エピジェネティックス)

 

こんにちは

早良区 西新の歯医者 松尾です。

 

以前 科学について書いたブログを一部修正する内容になってます。

 

*以前のブログ

 

遺伝 VS 環境①

 

遺伝 VS 環境②

 

*関連記事(神戸ナカムラクリニックの中村篤史先生)

 

獲得形質は遺伝する

 

 

獲得形質(エピジェネティックス)とは?

 

 

遺伝子の形を変えずに、その遺伝子を使うかどうかのスイッチONOFFを決める仕組みのことを言います。

そしてその仕組みは、環境や生活習慣などの影響によってスイッチのON/OFFが切り替わります。

比較的新しい分野の学問になります。

 

たとえば

わたしはネコ好きなのでネコ好き遺伝子を持つはずで、その遺伝子が子どもへ遺伝する確率が高いはずです。

 

しかし エピジェネティック的に、子どものネコ好き

遺伝子スイッチがOFFになるように成長した場合、

ネコ好きではない、あるいはネコ嫌いな子になることがあるのです。

 

「トンビがタカを生む」

などの諺(ことわざ)もエピジェネティックスに相当するのではないかと思います。

意味:ごく平凡な親から、人並み外れて優れた子どもが生まれることのたとえ。

 

生まれたては平凡なトンビであっても、その後の生活習慣や環境からの影響で、タカへと変貌をとげるケースもあると考えられます。

 

ほかには

双子なのに性格が大きくことなるケースもあります。

 

まったく同じ遺伝子を持つはずの一卵性双生児が、別々の場所で育った場合、IQや価値観などがかなり異ったという研究報告もあります。

 

これらも「エピジェネティックス」に基づく結果と考えられます。

 

生玉ねぎアレルギー

 

アレルギー検査をしたわけではないですが、わたしは昔から生のタマネギ、ネギ、ニンニクを食べると、冷や汗をかき、気分が悪くなる症状が出るため、出来るだけ加熱した状態で上記のものを食べるようにしています。

 

調べてみたところ、硫酸アリル(アリシン)という成分が合わないようです。

加熱することで、アリシンの一部が分解されるらしく、そのためアレルギーのような症状が軽くなるようです。

 

加熱して食べれば良い話ですが、たとえば飲食店で注文の際、サラダ、ポテトサラダ、魚の南蛮漬け、その他思った以上のメニューに生タマネギやネギが含まれていることがよくあります。

 

注文の都度「タマネギが入ってたら抜いてください」とお願いするのですが

店側の手間を増やしますし、仕込みの段階でタマネギを混ぜていたりもするので、タマネギが入っていそうなメニューを避けたりするようにしています。

 

アリシン自体はいわゆる「血液サラサラ」成分であり、タマネギに含まれるオリゴ糖なども、

腸内細菌のエサとなる*「プレバイオティクス」であるため、健康面を考慮すると積極的に摂っても良い食べ物と考えられます。

 

*関連ブログ「プレバイオティクス」

 

腸内細菌のバランス

 

赤ちゃんの夜泣きも「常在菌(じょうざいきん)」が関係?

 

バイオチュアブル(乳酸菌)

 

ロイテリ菌@ヨーグルト

 

菌活(きんかつ)のすゝめ

 

 

ここからが本題ですが

このアリシンに反応する体質が、子どもに遺伝している可能性が考えられます。

 

しかし

子どもの成長に合わせて、生活習慣や環境に工夫をすることで、エピジェネティックス的に

「アリシンに反応しない」体質づくりを可能にするかもしれません。

 

たとえば

花粉症治療での「舌下免疫療法」というものがあります。

 

あえて少量の花粉をベロの下に垂らして、

花粉に対して体を慣らすことで、花粉症の症状を改善する治療法です。

(治療期間は3~5年と長いので根気がいる治療法になります。早い人は1年で症状が軽くなるケースもあるようです。)

 

この治療法はまさにエピジェネティックスを活かした方法と言えます。

 

つまり

離乳食に少量のタマネギを混ぜて、長期間食べさせることで、タマネギに対する反応をゼロにする、あるいは軽くする可能性が高まります。

 

免疫寛容(めんえきかんよう)

 

 

聞きなれない言葉と思いますが、免疫システムが体内に侵入してきた異物(病原体など)を排除しますが、特定の異物に対しては受け入れること(寛容)を意味します。

 

たとえば

腐ったものを食べたら、免疫システムが作動してその病原体を排除し体外に出しますが、自分自身の細胞などは、イコール自分と認識して攻撃をしません。

 

免疫寛容が作動しなければ、自分を自分と認識できずに、自分を「敵」とみなし攻撃してしまいます。

 

アレルギーとは、そういった自己認識システムが誤作動を起こし、自分自身を攻撃してしまう状態です。

 

食物アレルギーは、本来無害な食べ物を「異物」と誤解し、過剰に攻撃する際に自分自身も巻き込まれる状態です。

 

この免疫寛容を利用し、食物アレルギーの原因となる食べものを少量・長期にわたって摂取することで、

「敵ではありませんよ」と体に教えて行くことが可能です。

 

特に年齢が若い方が免疫寛容が起こりやすいと言われているため、成人してからよりも幼少期から

「慣らしトレーニング」を開始する方が効果的と言えます。

 

加えて

幼少期から「牧場や牛舎など、家畜がいる環境」で育った場合、食べものに限らずアレルギーが少なくなるという報告があります。

 

歯科でいえば、免疫寛容が悪い方向で働くケースもあります。

むし歯の原因である「ミュータンス菌」が、

生後14週~54週の間(感染の窓)に感染を起こすとミュータンス菌が口内に定着し、「共生がはじまる」と言われています。

 

感染の期間は諸説あり、3歳まで、あるいは12歳までが感染の窓であるため、注意が必要との報告もあります。

 

いずれにしても

むし歯菌を持っているかいないかで、

人生の質が変わると言っても過言ではないと思いますので、子どもたちのために、両親や親せきは、なるべく自分たちが持つミュータンス菌をうつさないことが重要です。

 

犬猫たちもミュータンス菌を保持しているため、出来るだけ接触は避けることをオススメします。

 

 

そのためには

 

・食べものを口移ししない

・熱い食べ物を冷ますためにフーフーしない

・親子の食器を分ける

 

などの工夫が必要です。

 

無限の可能性を秘める

エピジェネティックス

 

親から子に遺伝した遺伝子の型は変わることはないので、遺伝子レベルでは「変えられないこと」ですが、持っている遺伝子を発現するか、しないかは

「ある程度調整が可能」なので、たとえば親からの遺伝でかかりやすい病気への対策や、食物アレルギーになりにくい体質に改善したりと、今後の展望として病気の予防や治療に期待できます。

 

エピジェネティックスによる変化は、1世代だけではなく、2世代、3世代以降までも続くと言われています。

 

つまり

「自分や子どもまでの代で終わり」ではなく、次世代まで大きな影響を与える可能性が高いと考えられます。

 

以前のブログで「遺伝子に組み込まれる」という表現をしましたが、正確には「遺伝子のON/OFFを制御する」ということでした。

 

 

このことを踏まえて、子どもたちの未来はいくらでも可能性があるとお伝えしたいと思います。

 

子どもたちのため

ご両親、養育者の方々、子育てに参加しサポートするみなさまの参考になれば幸いです。

 

 

次女「チラっ」

 

 

 

長女「こっちみんな」

 

 

 

ハーフバースデーにて

 

 

 

 

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